今日、NHKBSプレミアムのプレミアムカフェで「草原の祈り・大地の声 ～喜多嶋洋子 ネイティブアメリカンの旅」という番組を見ました。
かつて女優：内藤洋子として一世を風靡した喜多嶋洋子さんが、ネイティブアメリカンと呼ばれる先住民族の方々と時間を共にするドキュメンタリー番組です。
この番組の個人的な見どころは、メディスンマンと呼ばれる特別な能力を備えたシャーマンではなく、ごく普通の、しかし信仰心の篤い人々の日常が紹介されている点です。
現在は自己心理学をはじめとした精神分析的な解釈を元にした記事が大半を占めていますが、カウンセリングの仕事を始めた当初は「心理カウンセラー・夢分析家の夢日記」の投稿をご覧いただいても分かりますように、ユング心理学やプロセスワーク（プロセス指向心理学）・トランスパーソナル心理学などの、いわゆる精神世界と称されるスピリチュアルな心理学に傾倒していました。
そしてそうしたスピリチュアルな心理学やその他の精神世界の本で紹介されているのは、もっぱらシャーマンの超人的なスキルに関するものや、超心理学と呼ばれる科学では説明のつかない神秘的な世界についてのもので、今回紹介した番組のような日常的な光景はほとんど出てきません。
これは私もその一人でしたが、多分に生きづらさを感じ、その抑うつ気分を解消するための防衛として生じる誇大感*に駆られた人々が主な読者であるため、その人々のニーズを反映したものと考えられます。
*この心の働きは躁的防衛と呼ばれています。
今回紹介した「草原の祈り・大地の声 ～喜多嶋洋子 ネイティブアメリカンの旅」はそのような精神世界の本の内容とは一線を画する、（抑うつ気分を吹き飛ばすための）奇跡のようなエピソードではなく、ごく普通の日常世界にシャーマニズムの信仰がどのように息づいているのかを知ることのできた貴重な番組でした。
今晩7月7日（木）深夜24時45分～26時50分に再放送されますので、BSが視聴できる方は是非ご覧ください。