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過呼吸(症候群)と呼吸コントロール@パニック障害

過呼吸(症候群):

パニック発作が発生した時には、しばしば同時に『過呼吸』という状態が起こります(必ず起こるわけではありません)。
過呼吸とは、「早過ぎる」あるいは「深過ぎる」呼吸によって、脳に運ばれる酸素の量が少なくなる状態です(過呼吸の詳しい原因については、参考文献等をご参照下さい)。
過呼吸によって引き起こされる症状はパニック発作の症状と酷似しているため、結果としてパニック発作の症状をより悪化させてしまいます。
したがってパニック発作の際に過呼吸が発生した場合には、まずはこの過呼吸へ対処することが重要となってきます。

呼吸コントロール:

過呼吸への対処には『呼吸コントロール』が有効です。呼吸コントロールでは、具体的に次のようなことを行います。

1. 体を出来るだけ安定させる

とにかく、体を落ち着かせましょう。座れない状況では、壁などに寄りかかるだけでも違います。パニック発作や過呼吸の状態では、体が不安定なだけでも、そのこと自体が「更なる不安」を引き起こしてしまいます。

2. 呼吸に注意を向ける

自分の呼吸に注意を向けましょう。参考書籍ではさらに詳しい指示がありますが、この「呼吸に注意を向ける」だけでも大きな効果があります。
パニック発作や過呼吸が起きると、どうしても気が動転してしまいがちです。この瞬間は我を忘れ、症状に完全に呑み込まれた状態になっています(症状との同一化)。
一方「呼吸に注意を向けている」状態では、「意識的に」呼吸に注意を向けているわけですから、そこには自らの意志が存在しています。
パニック発作や過呼吸で一番怖いのは、「自分で自分をコントロールする力を失ってしまう」ことです。
ですから、意識的に呼吸に注意を向けることで「自分をコントロールする力を取り戻す」ことが、パニック発作や過呼吸への対処の第一歩となります。

「パニック障害」参考文献:

不安障害の認知行動療法〈1〉パニック障害と広場恐怖―患者さん向けマニュアル
不安障害の認知行動療法〈1〉パニック障害と広場恐怖―不安障害から回復するための治療者向けガイドと患者さん向けマニュアル
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