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急激な状況変化への対応に役立つ、リフレーミングなど、いくつかの方法

今回は新型コロナウイルスが猛威を振るうなど、不測の事態によって生活が一変してしまった際に役立つ心理的なテクニックとして、リフレーミングと呼ばれる方法を紹介します。

現状復帰へのニーズの強さを懸念

先日、一斉休校に対するメディアの報道姿勢に関する記事を書きましたが、新型コロナウイルス関連の報道については、別に気になっていることがあります。
それはメディアで伝えられるウイルス蔓延への人々の反応の多くが、元の生活を取り戻すために必死になっていることに集中している点です。

このような報道内容は、単に危機的な状況を伝えるための編集の結果なのかも知れませんが、もし実際にこのような状況になってしまっているのだとしたら少し懸念を感じるため、別の有効策を提示するために今回の記事を書くことに致しました。

元の状態への復帰を最優先する方策は、一見当たり前のことのように思えるかも知れませんが、実は得策とは言えない部分もあります。
それは今回のような危機的な状況では、元の生活を取り戻そうにも状況があまりに大きく変化してしまっているため、完全には不可能か、もしくはたとえ可能であったとしても普段の何倍もの労力が必要となるためです。
そしてその無理が災いして心身に著しい不調をきたしたり、あるいは他の事柄にしわ寄せが及ぶ結果、新たに困難な状況が作り出されてしまう可能性もあります。

そこでお勧めなのがリフレーミングと呼ばれるテクニックです。

リフレーミングとは

リフレーミングとは、元々は家族療法の手法ですが、今ではNLP(神経言語プログラミング)など様々な心理療法にも取り入れられています。

リフレーミングのエッセンスは、これまでとは物事の見方、つまり視点を変えることです。
これには無数のパターンがありますが、今回の新型コロナウイルスの猛威による状況変化に対して役立ちそうなリフレーミングとしては、次のようなものが挙げられます。

できなくなったことだけでなく、逆に可能となったことにも目を向ける

リフレーミングの1つめは、できなくなったことだけでなく、できるようになったことにも目を向けるというものです。

不測の事態に直面した時、私たちが意識しがちなのは、これまではできていたことが今はできなくなってしまったというもので、これは一種の喪失体験と言えます。
このため冒頭で触れたような、一刻も早く元のできていた状態へ戻したいとのニーズが生まれることになります。

ですが例えば一斉休校やテレワーク(在宅勤務)などの要請は、ご家庭によっては家族と一緒に過ごす時間が増えることを意味するでしょう。
そしてこの変化は、そのような時間を増やしたいと思っていた人にとってはプラスとなるはずです。

気分を好転させることができるリフレーミング

今回紹介したリフレーミングが重要なのは、できなくなったことを何とか元の状態に戻したいという思いにばかり囚われていると、その試みは得てして不十分なレベルに留まってしまうため、無意識に「できない=ダメな自分」という自己評価を下してしまい、その結果気分が落ち込みがちになってしまうためです。

それに対して、できるようになったことにも目を向けられるようになると、喜びの感情が芽生え気分が好転します。
またそれと同時に「今回の件は悪いことばかりではなかった」などと、状況をより広い視野で捉えることができるようになるため、未来を悲観し絶望することもなくなり、また気持ちに余裕も出てきます。

リフレーミングは、このように上手く作用すれば気分を一変させることができるのが大きなメリットです。

補足) リフレーミングは普段の生活でも有効性が期待できるテクニックですので、今回のような非常事態に限らず試してみてください。
また興味が湧きましたら、家族療法やNLPの本もご覧ください。より幅広く活用事例が掲載されています。
リフレーミング参考書籍

次のページでは完璧主義の人が陥りがちな、(完璧に)〇〇しなければならないという信念をリフレーミングする方法について紹介する予定です。

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