- 2017年3月10日
- 2018年8月17日
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発達心理学の常識を覆すマザコン男性が好意的に評価される時代に~自己愛講座32
ドラマ『ずっとあなたがすきだった』の冬彦さんのように、これまで異常で気持ち悪い存在と見られていたマザコン男性が、今はその親子の仲の良さがむしろ積極的に評価され「優しい人」と好印象を持たれるように変化して来ているようです。その背景について考察しています。
ドラマ『ずっとあなたがすきだった』の冬彦さんのように、これまで異常で気持ち悪い存在と見られていたマザコン男性が、今はその親子の仲の良さがむしろ積極的に評価され「優しい人」と好印象を持たれるように変化して来ているようです。その背景について考察しています。
少なくても日本で「個性」という言葉は、それに何らかの価値を感じる実質「長所」に近い意味で使われており、それゆえ自分には個性がないと悩んでいる人の本当の悩みは、自分に価値が感じられないという「自尊感情」に関わる悩みであると考えられます。
個性とは意図的に作り出すものではなく、人生経験の中でいつの間にか形成されるようなものであり、その意味で本当は誰もが持っているものと考えられます。
個々人の個性が重視されるようになってきていますが、その辞書的な意味である「他の人とは違った、その人特有の属性・性格」は厳密には存在しないものであり、それでもそれを追い求めるのは自尊感情の低さと自己愛的な性格構造の表れと考えられます。
ハインツ・コフートは、自己対象欲求という人間の心の働きを説明するのに大変有用な概念を生み出した人物ですが、晩年の彼の自己対象欲求を空気に例える説明は度が過ぎており、その充足をあまりに普遍化し過ぎているように思えます。
コフートは自己愛の病理の治療に多大な貢献をしましたが、悪い母親理論と称される彼の環境因偏重の姿勢は、アダルトチルドレンのような極端な他罰傾向の思想をも生み出してしまったように思えてなりません。
NHKドラマ「お母さん、娘をやめていいですか?」に登場する母親と娘の関係を参考に、最近増えていると聞く友達感覚の非常に仲の良い親子関係に潜む「共生期」と呼ばれる重症域の病理の存在について解説しています。ただしこのような解釈は個人主義的な思想に基づくものであり、和を重んじる日本文化では、かなりの程度容認されています。
あくまで私見ですが、防衛機制や無自覚な思考・行為は、最初から意識できない無意識の領域に存在していたのではなく、その多くはむしろ最初は意図的に行われていたものが、何度も繰り返され習慣化することで学習効果が働き、やがて意識しなくても同様のことを行うことができるようになっていったのではないかと考えています。
ハフポストの強姦神話の記事を参考として、強姦の衝動的なイメージの形成には、性欲を食欲・睡眠欲と並ぶ人間の本能的欲求とする「性欲本能説」が影響を与えている点を私説として書きました。