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プレゼンスを促す傾聴(伝え返し)のルール@フォーカシング

フォーカシングには、「答えや進むべき方向を知っているのはフォーカサー(のフェルトセンス)」との前提があります。
多くを知っているのがフォーカサーであるなら、「伝え返して欲しいこともフォーカサーに決めてもらう」のはどうでしょうか?

フォーカサー側のルール

以前にグループで、フォーカサーとリスナーによるフォーカシング(聞き手がガイド的な行為を一切行わず、傾聴に徹するスタイルのフォーカシング)を行った時に感じたことがあります。
その時のフォーカシングは「聞き手はリスナーとして傾聴のみを行う」枠組みでしたので、リスナーの役割はフォーカサー(フォーカシングする人、話し手)の話のうち、伝え返しが必要だと思われることをフォーカサーに返しすことになります。
また、この「伝え返しが必要か否かの判断」は、リスナーが自分の「体の感じ(フェルトセンス)」で確認することでなされます。

リスナー側のルール

ところが(特にフォーカシング初心者の頃には)リスナーにとって、「フォーカサーの話を聞きながら、それを一つ一つ自分のフェルトセンスで確かめて、共鳴したことを伝え返して行く」作業は簡単ではありません。だからこそ、フォーカシングはトレーニングが必要だと言えるのですが…
現実は、自分のフェルトセンスに触れることが出来ないために、フォーカサーの話のどれを伝え返して良いのか判らず困惑し、次第に緊張して、本来リスナーにとって一番必要なはずのプレゼンスの状態からドンドン離れて行ってしまいます。
さらにリスナーが緊張していればフォーカサーにも影響を与え、フォーカサーがフェルトセンスに触れる妨げにもなりかねません。
もし、フォーカシングが「リスナーのトレーニング」のために行われるのでしたらこれでも構わないのですが、フォーカシングは本来フォーカサーのために行われるものです。
そしてリスナーは、プレゼンスの状態でそばにいてフォーカサーのフォーカシングを推進できてこそ、本当にそこにいる価値があります。

フォーカサー側のメリット

現状の傾聴(伝え返し)のルールでは、フォーカシングの役に立つリスナーになるためには相当のトレーニングが必要です。
リスナーがプレゼンスの状態でいられれば、それだけフォーカサーのフォーカシングの役に立つわけですから、リスナーのプレゼンスを促すフォーカシングのルールはないものかと私なりに考えてみました。

リスナー側のメリット

私が経験した限りでは、リスナーが緊張してしまう一番の原因は傾聴(伝え返し)の難しさにあるようです。何を伝え返したら良いのかが判らないのです。
ところでフォーカシングには、「答えや進むべき方向を知っているのはフォーカサー(のフェルトセンス)」との前提があります。
多くを知っているのがフォーカサーであるなら、「伝え返して欲しいこともフォーカサーに決めてもらう」のはどうでしょうか?
私達は考えごとをしている時などに、(無意識に)自分自身で確認するような行為を行っています。頭の中で繰り返してみる、声に出してみる、紙に書いてみる…そうしながら、出て来たものがピッタリかどうかをフェルトセンスで確かめているのです☆
この時の心の状態を、フォーカシングのルールに応用できないでしょうか?

フォーカサー側のルール

・自分の中で「確認してみたいことだけ」言葉に出します。全部をリスナーに中継する必要はありません。
・リスナーの伝え返し(必ず返って来ます!)をフェルトセンスで確かめます。

リスナー側のルール

リラックスしてください。これが一番大切なことです☆
・フォーカサーの言葉をすべて、そのまま伝え返します。自分のフェルトセンスに触れられなくても、機械的な伝え返しになっても構いません。

フォーカシング新ルールのメリット:

フォーカサー側のメリット

今まで以上に、より主体的にフォーカシングせざるを得なくなりますので、自主性が育まれ、セルフ・フォーカシングも容易になります。
また、リスナーがリラックスしてくれることで、安心してフォーカシングを進められます。

リスナー側のメリット

プレッシャーから解放されることでリラックスでき、プレゼンスの状態に入りやすくなります。

新ルールでのフォーカシングの感想お待ちしてます♪

以上の考察は、まだ仮説レベルの段階にあり、これから実地で検証して行くところです。
もしこのルールでフォーカシングをお試しの方がいらっしゃいましたら、ご意見・ご感想などいただけると幸いです☆

近田輝行、日笠摩子編さん『フォーカシングワークブック―楽しく、やさしい、カウンセリングトレーニング』、金子書房、2005年
以前に出席したフォーカシングセミナーで使われていたテキストです。独習可能なワークブック形式になっています☆
ジェンドリン、コーネル、フリードマンのフォーカシングについてもコンパクトにまとめられています。

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