- 2018年5月20日
- 2021年11月25日
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白雪姫のお妃の殺意は自己愛的な羨望の象徴、加えて自己愛の臨床の難しさ〜自己愛講座43
グリム童話『白雪姫』でのお妃の白雪姫に対するような羨望や殺意を、コフートとカーンバーグの理論で解釈するとともに、自己愛の臨床の難しさについても触れました。自己愛的な人は、常に他人との優劣に心を奪われているため、しばしばこの羨望に苦しめられることになります。
グリム童話『白雪姫』でのお妃の白雪姫に対するような羨望や殺意を、コフートとカーンバーグの理論で解釈するとともに、自己愛の臨床の難しさについても触れました。自己愛的な人は、常に他人との優劣に心を奪われているため、しばしばこの羨望に苦しめられることになります。
カフェ等で見かける、お店のスタッフとの関係では非常に社交的で誰からも慕われるようなタイプの常連の人が、他のお客さんに対しては非常に横柄な態度を取っている場面をしばしば見かけるため、人は見かけによらない典型例として、このようなタイプの人の「隠れ自己愛」の特徴を考察しました。
隠れ自己愛的な人の中でも、特定の人にだけは終始媚を売るような態度を取る一方、それ以外の人に対しては、あからさまに尊大な態度を取る人の心理について分析しています。
隠れ自己愛の人は、日々の他人から良い人と思われるための努力が「優しく誠実な人」との評価を得る反面、親しい間柄の人に対しては、甘えを通じて普段は我慢しているナルシスティックな欲求を爆発せてしまうことを考察しています。
自己愛的な人が周囲の人を巻き込む要因について、まずは如何にもナルシスティックかつ自己愛性パーソナリティ障害の診断を満たすほど重症域の人のケースについて記述しています。また誰もが自己愛的な人に巻き込まれるわけでもありませんので、巻き込まれやすい人の特徴についても簡単に触れています。
自己愛的な人には、誇大モードにある時に見せるナルシスティックな姿とは別に、抑うつモードに陥った時には、時に愛着に近いような非常に強い対人依存が生じると考えられ、その点を発生要因も含めて考察しています。
自己愛的な人に対する「冷酷」「ロボットのように無表情で何を考えているのか分からない」という一般的な印象は、あくまで理想自己に同一化した誇大モードにある時の態度が生み出すものと考えられます。
過干渉に陥りがちな親の心理の特徴として、当人からすればそれは深い愛情ゆえの行為であること、および予期不安が強い傾向や、共生期と呼ばれる母子密着の心理の存在などについて解説しています。
過干渉と過保護が異なるタイプの自己愛性パーソナリティを生み出すことに加えて、世間ではこの過干渉と過保護とが混同されているようにように思えますので、それぞれの内容についても簡単に整理しています。
日本人は議論が苦手と言われていますが、それは単にスキルの問題だけでなく、他人からの評価に非常に敏感であるために、あらゆることを自分に結びつけて解釈する自己中心的な傾向を有しており、その傾向から意見への批判を自分の人格的な側面の否定として受け止めてしまうことも関係しているのではないかと考えられます。