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沈黙(間)の大切さ@傾聴&フォーカシング指向心理療法

傾聴したはずなのに…

カウンセリング仲間と夢分析をした時のことです。夢分析終了後、クライエント役をした仲間から次のような感想がありました。
「途中で寄り道もあったけれど、とても上手く誘導してもらえた。」
誘導…この言葉に、少し戸惑いを覚えました。
私は傾聴によって、クライエントと共にプロセスについて行ったはず…それなのになぜ、私がカウンセリングの主導権を握っていたような印象を与えてしまったのだろう…

カウンセリングにおける沈黙(間)の大切さ:

仲間と別れてから、ジェンドリンの著作を読んでいてハッとしました。少し長くなりますが、以下に引用します。

…そのような介入をすることで、クライエントが自由に使う時間を奪ってしまってはならない。カウンセリングのほとんどの時間は、クライエント共に過ごす、何の手順もない、ゆったりした自由な時間であるべきだろう。
そして、クライエントの内側から生じてくるものによって、その時間が埋まって行くのを待つのである。クライエントの発言を受け取りそれを伝え返す(傾聴する)こととは、クライエントがこのように内側から出てくるものを待つ作業をする際の支えとなる。(フォーカシング指向心理療法 上巻 P.58)

先のカウンセリングを振り返ると、私はあまり沈黙(間)を大切にしていなかった気がします。
思えば、沈黙(間)があって初めて、クライエントは心の奥深くに触れることができるはずです。
そのようなクライエントにとって大切な時間を、カウンセラー自らが奪ってしまっては元も個もありません。反省、反省…

補足:カウンセラー-クライエント関係(ランク)の影響:

上記の出来事には「カウンセラー-クライエント」間のランクの存在も影響していると思われます。
カウンセラー依存(転移)@ランクの影響:傾聴&プロセスワーク

ユージン・T.ジェンドリン著『フォーカシング指向心理療法(上・下巻)』、金剛出版

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