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ある心理カウンセリングのセミナーで私は自分でも意識せずにフォーカシングの教示を行っていました。それは素晴らしく、かつ神秘的な体験でした☆

素敵なカウンセリング体験☆

ある心理カウンセリングのセミナーでカウンセラー役をした時のことです。途中からクライエント役の方が伏目がちに話をすることが多くなりました。私にはその理由が判らなかったのですが、カウンセリング終了後に「いつの間にか内面に注意が向いていて、独り言を言っているような感じ」だったのだそうです。
内面に注意が向く…これは洞察には欠かせない状態です。
さらに、独り言を言っているような感じ…これは私にとって心理カウンセリングの一つの理想型でもありました☆ なぜならそれは「(伏目がちとはいえ)ちゃんと会話が成立しているにも関わらず、存在を忘れられるほどその方の内省の邪魔に一切ならなかった」ことを示していたからです。

フォーカシングの教示でした…

後からカウンセリングを振り返ると、伝え返しの際に(無意識に)胸やお腹の辺りに手をやっていたことに気づきました。「胸やお腹」といえばフォーカシングでフェルトセンスを感じていただくために最初に注意を向ける場所です。
私は自分でも知らずにフォーカシングの教示に当たることを行っていたのでした*。そしておそらくクライエント役の方もフォーカシングのプロセスに馴染みやすい方だったために内省が促されたのでしょう。
また、これまで「上手くいった」と思うカウンセリングでは例外なく疲労感を感じていたのですが、今回のカウンセリングには終えた後の疲労感がありませんでした。
フォーカシングの教示によって心理カウンセリングのプロセスが上手く進展するときは、カウンセラー側も楽な気持ちでいられるのかもしれません。
*このセミナーでは傾聴以外の技法は禁じられていました。

フォーカシング指向心理療法:

フォーカシングが心理カウンセリングに役立つことを改めて知り、今またジェンドリンのフォーカシング指向心理療法を再読している次第です。

ユージン・T.ジェンドリン著『フォーカシング指向心理療法(上・下巻)』、金剛出版
上巻は傾聴・フォーカシングによる洞察を促す心理カウンセリングの仕方、下巻は認知行動療法・ゲシュタルト療法などの心理療法をフォーカシングによって統合する試み(ジェンドリンはそれをフォーカシング指向心理療法と呼んでいます)が述べられています。

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