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心理カウンセラーの性分

「ベテランの心理カウンセラーでさえ誰かの役に立てないことで苦しむ」ことを知り、私自身そのことに関わる自己愛的な苦しみから救われました☆

自尊心を損なう心理カウンセリング体験…

今ある心理カウンセリングの講座に定期的に出席しているのですが、そこでいろいろと辛い体験をしています。なかでも一番辛いのは「自分がクライエントの方の役に立てない」ことを毎回のように体験することです。
これはもちろん私自身の不勉強にも原因がありますが、それとは別にその講座のトレーニングの枠組も一因となっているように思えます。
この講座ではもっぱら対面により傾聴と呼ばれる心理療法のトレーニングを行いますが、その際一回あたりの時間が3~8分と非常に短く設定されています*。
通常、心理カウンセリングの面接は通常50分ですから、これでは必ず時間切れになり、多くの場合クライエント役の方に何の洞察も変化もないまま途中で終わってしまいます。
これが私には非常に堪えました。「あぁ、また何の役にも立てなかった…」と自尊心を損なう体験の積み重ねです。
しかし心理カウンセリングとはカウンセラーの自尊心を満たすために行うものではありませんので、これは私の自己愛的な性格の欠点だと思っていました。
*おそらく傾聴という「技法の練習」が目的のためと思われます。

誰かの役に立てないときに苦しむのが心理カウンセラーの性分☆

ところがある本に意外な一文が載っていました。以下に引用します。
「セラピスト(心理カウンセラー)は自分のクライエントに対して常に責任を感じているでしょうし、自身の仕事に対する責任を常に負っています。ですから私たち(心理カウンセラー)は誰かの役に立てないときに苦しむのです。」
ケースの見方・考え方:精神分析的ケースフォーミュレーション 「日本の読者のみなさまへ」より)

これは驚きでした☆ トレーニングと本番との違いはあるにせよ、ベテランの心理カウンセラーでさえ誰かの役に立てないことで苦しむのだとは…
この文章を目にしたことで「私だけが特別におかしい*」という考えが心の中で覆され、とても気分が楽になりました♪
もっとも心理カウンセラーの性分に対する私の認知が変化しても、その講座のトレーニング内容は当然ながら変わりませんので、辛い状況が消えたわけではありません…
しかし自己愛的性格から生じる二重の苦しみから解放されたことは大きな収穫でした☆

*抑うつ型自己愛性人格の人は「自分が特別に劣っている」と感じることで抑うつ的に、対して誇大型自己愛性人格(病的な場合にDSM-4の『自己愛性パーソナリティ障害』と診断されるような性格タイプ)の人は「自分が特別に優れている」と感じることで尊大になる傾向があります。

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