R・フィッシュ、J・H・ウィークランド、L・シーガル著『変化の技法-MRI短期集中療法』

ブリーフセラピーの真髄は「常識からの脱却」

ブリーフセラピーのよく知られた格言について考察する記事。
1ページ目では格言「上手くいっているなら、もっとそれを続けろ」の実践例として、『激レアさんを連れてきた。』に出演されたCMタレントのミツキさんのエピソードを紹介いたしました。

続くこのページでは、同格言は内容はシンプルでも、その実践は容易ではないと考えられる理由を示します。

上手くいった要因は「常識はずれ」な場合がある

1ページ目で紹介したミツキさんのCMオーディションの成功要因は、トラブルから本人いわく「ダサい」服装でオーディションに臨まなければならなくなり、ところが意外にもそれがオーディション合格に結びついたというものでした。
また半信半疑ながら、その後のオーディションでも同じような服装で望んだ際に、やはり合格したことがあるため、この戦略の有効性を確信したとのことです。

ただこの成功要因は、かなり常識はずれなものと言えそうです。なぜなら通常はオーディションに限らず何らかの自己アピールが必要な場面では、自分をより魅力的に見せるために工夫するのが常套手段であり、したがって上述の選択肢はその常識に反すると考えられるためです。

このように上手くいった要因は時に「常識はずれ」なものの場合があるため、その常識に縛られて必要なアクションを取れないことが起こり得ます。

「常識」が上手くいった要因の発見を阻んでしまうことがある

さらにこの常識というものは、物事を観察する際の視野を狭めてしまうという悪影響をももたらします。

例えばもし仮に別の人がミツキさんと同じ状況に遭遇したとしても、その人がオーディションに関する常識的な考えに縛られてしまっていては、自分を魅力的に見せることのない服装などは最初から考慮外とされてしまうため、それが成功要因として認識される可能性はゼロに等しいでしょう。

次の最後のページでは、まとめ的な内容として、ブリーフセラピー的な思考を効果的に実践するためのコツを私なりに総括したいと考えております。

R・フィッシュ、J・H・ウィークランド、L・シーガル著『変化の技法-MRI短期集中療法』
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