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解決志向ブリーフセラピー単独で心理カウンセリングを行うよりもMRI式ブリーフセラピーなど他のブリーフセラピーを併用した方が、心理カウンセリングの成功率を上げること及びカウンセリング期間の短縮に効果があると考えられます。

解決志向ブリーフセラピーによる心理カウンセリングの行き詰まり…

解決志向ブリーフセラピーと呼ばれるブリーフセラピーの一つを用いて心理カウンセリングを行っていたときのことです。
解決志向ブリーフセラピーのマニュアル化された手順に従って最初は問題や症状が生じていないとき、つまり問題がすでに解決した状態(例外)を探求し、その問題が解決した状態が見つかれば「それで何が違ってきますか?」とさらに問題が解決した状態に対するクライエントの理解を膨らませていきました。
そして次に問題が解決した状態を10として今の状態は幾つぐらいかを尋ねました。
この時点までは解決志向ブリーフセラピーが完璧に上手くいっているように思えました。しかし次の瞬間、突然解決志向ブリーフセラピーが行き詰ってしまいました…
「今の状態から1つ数字を上げるために何か出来そうなことはないでしょうか?」と問題の解決手段をお尋ねしたところ(スケーリング)何と「分からない」という答えが返ってきてしまったのです…

成功例ばかりが掲載されている解決志向ブリーフセラピーの解説本:

それは予想外の事態でした。なぜならこれまで私が読んだどの解決志向ブリーフセラピーの解説本にも「今の状態から1つ数字を上げるために何か出来そうなことはないでしょうか?」旨の質問をすれば例外なくクライエントの口さんから問題の解決方法が話される話ばかりが掲載されていたためです。
ここにきて解決志向ブリーフセラピーによる心理カウンセリングは完全に行き詰ってしまいました…
これは解決志向ブリーフセラピーに限ったことではありませんが、やはり完璧な心理療法などこの世に存在しないということなのでしょう。
(もちろん私のカウンセラーとしての未熟さも一役買っているはずですが)

他のブリーフセラピーにより問題が解決☆

心理カウンセリングが行き詰まり気まずい雰囲気になってしまったその時、突然少し前にあるテレビ番組から得た情報のことが思い出されました。
そして試しにその情報をクライエントに伝えたところ、みるみるクライエントの表情が明るくなっていきました☆
何とテレビから得た雑学によるアドバイスが心理カウンセリングに劇的な効果をもたらしたのです!

解決志向ブリーフセラピーとMRIブリーフセラピーの併用の効果:

その後「ソリューション・バンク-ブリーフセラピーの哲学と新展開」という本の中で、問題が解決ないし幾らか良い状態のときの有無を探求し、それらが見つかれば解決志向ブリーフセラピーを、見つからなければMRI式のブリーフセラピー(以下、MRIブリーフセラピーと略)を用いて、クライエントや周囲の人々の(残念ながら)問題の解決に結びつかない努力(偽解決)を明確化し、偽解決とは違ったことを行うようにアドバイスすることを提案するというように複数のブリーフセラピーを併用した方が、解決志向ブリーフセラピー単独で心理カウンセリングを行うよりも問題を多面的に理解でき、かつ心理カウンセリングの期間をより短縮化する効果がある旨のことが述べられていました。

解決志向ブリーフセラピーとその他のブリーフセラピー・心理療法の併用の効果:

「ソリューション・バンク-ブリーフセラピーの哲学と新展開」では問題が解決した状態(例外)の有無の探求場面についてのみ、解決志向ブリーフセラピーとMRIブリーフセラピーを併用することの効果が述べられていましたが、上述の私の体験から考えますとスケーリングなどその他の解決志向ブリーフセラピーの手順で行き詰った際にも同様の効果が期待できそうです。
またその際に用いるブリーフセラピーの技法もMRIブリーフセラピーに限らずミルトン・エリクソンやオハンロンなどその他のブリーフセラピーの技法でも、もっといえばブリーフセラピー以外の心理療法でも、効果が望めると思えば試してみる価値はあるように思えます。
(先の私が行った雑学によるアドバイスは偽解決を明確化していないという点でMRI式ブリーフセラピーとは言えませんが「変化のために利用できる資源は何でも利用する」というブリーフセラピーの理念からすればブリーフセラピーの範疇に入るのではないでしょうか)

長谷川啓三著『ソリューション・バンク-ブリーフセラピーの哲学と新展開』、金子書房、2005年
心理カウンセラーのみならず教師の方も対象として書かれているためか、解決志向ブリーフセラピー・MRIブリーフセラピーその他のブリーフセラピーについて非常に分かりやすく解説されています。また事例も豊富です(全部で37事例!)
ただ教師の方向けにも書かれているためか、事例のほとんどが不登校など学校臨床の事例となっています。
それでも用いられている心理療法はすべてブリーフセラピーであるため、スクールカウンセリングの仕事に携わっていない心理カウンセラーの方にもブリーフセラピーの入門書としてお勧めの一冊です☆
(私が読んだ限り、一番分かりやすいブリーフセラピーの解説書でした)
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