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NHKBS1『国際報道2017』〜私説:リニューアル後はキャスターの役割分担にジェンダー的に問題があるように思えます

NHKBS1『国際報道2017』
これまで楽しみに見て来た番組ですが、4月のリニューアルで個人的に不快感を感じることが出てきました。

男性キャスターが解説者を兼ねるようになった

同番組はこれまで男性キャスターは代々NHKの特派員が、女性キャスターはフリーアナウンサーが担当して来ました。
今回のリニューアル後もその点は変わりません。しかしその役割に大きな変化が見られました。

これまでの放送でも男性キャスターが見解を述べることはありました。しかしそれはあくまで個人的な見解という印象を与えるものであり、不定期に登場する解説委員その他のゲストの専門的な見解とは、扱いに明確な違いが見られました。

ところが4月から登場するようになった男性の新キャスターは、見解を述べる時間が大幅に増え、さらにその際に「解説」というテロップが表示されるようになりました。
これはその方がキャスターのみならず解説者の役割も兼ねるようになったことを意味していると思われます。

キャスター間に著しい力の不均衡を感じるようになった

もっとも私が不快感を感じるようになったのは、そのこと自体ではなく、その変化がもたらした二人のキャスターの関係性についてです。

注)キャスターは実際は3人ですが、もう1人の方は主にコーナーを担当しています。

上述の「解説」の時間帯では、男性キャスターが自説を滔々と述べている間中、女性キャスターはその隣で頷き役に徹しています。
時折その方が発言することもありますが、それはあくまで男性キャスターが話しやすいように合いの手を入れる役割を担う類いのものです。

悩み事の相談などを受けたことのある方でしたらご経験があると思いますが、こうした役割に徹するためには、俗に「自分を殺して」と表現されるように、自分の気持ちなどを一切脇に置く必要があるため多大な忍耐力を必要とします。

そのためでしょうか、時折その女性キャスターの方の表情が辛そうに見える時がありました。
(実はこれまでとは違う異変に最初に気づいたのは、この方の表情からでした)

これまでは特派員・フリーアナウンサーというバックボーンの違いはあっても、共にキャスターという対等な関係が重視されていたからでしょうか、どこか和気あいあいの雰囲気が感じられました。

しかしリニューアル後は前述の役割の大場な変更により、さらにはその時間がしばしば長時間に及ぶため、実質1人の男性メインキャスターと2人のその引き立て役のキャスターという力の不均衡が番組全体を支配してしまっているため、これまでの雰囲気が消え失せてしまったように感じられるのは非常に残念です。

好ましくないジェンダーの表れにも思える

またそれだけではなく、その力の不均衡を感じる場面が男性と女性により形成され、それが毎回繰り返されているため、旧態依然とした男性優位のジェンダー(社会的な役割)観を見ているような不快さまでをも感じます。

本来、特定の番組を槍玉に挙げるような行為は慎むべきなのでしょうが、最後に触れたジェンダーの好ましくない点も見え隠れしているように思えましたので、できれば是正していただきたく記事にしました。

これからも番組の1ファンとして、放送を楽しみにしております。

NHKBS1『国際報道2017』キャスター紹介ページ

追伸)「解説」のテロップは毎回必ず出るわけではないようです。

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