前回の私説:TwitterユーザーとFacebookユーザーとの違い~SNSの心理学1で、あくまで仮説ですが、日本人の人目がある時には無意識に良い人のように振る舞うが、いったんそれが気にならなくなる状況になると態度が急変する傾向について書かせていただきました。
今回はこのことを裏付けるような例として、私の仕事である心理カウンセリングと夢分析におけるお客様の料金の支払いについて書かせていただきます。
心理カウンセリングと夢分析の料金をお支払いいただけないお客様が結構います
私がセッションの時間をあらかじめ設定せず15分単位で料金をいただくシステムを取っていることも一因ですが、実は心理カウンセリングと夢分析の終了後に料金をお支払いいただけないお客様が結構いらっしゃいます。
その割合は電話カウンセリング・夢分析では1割以下ですが、メールカウンセリング・夢分析では実に3割以上にもなります。
さらに催促すると着信・受信拒否される方がほとんどです。
ところが対面のカウンセリング・夢分析では、そのようなお客様は10年間でお一人のみです。
カウンセリング・夢分析は、残念ながら思うようなお役に立てずに終わってしまうこともあり得るサービスですが、それでも対面ですと、どんなに関係が悪化し厳しい批判を受けても料金はお支払いいただけます。
ところが電話やメールとなりますと、この状況が一変します。
電話やメールでのカウンセリング・夢分析では関係が悪化した方ばかりでなく円満解決に至ったようなケースでさえ、その後の支払いに応じていただけないお客様が前述のような割合でいらっしゃいます。
良い人を演じる必要性の有無で態度が豹変する日本人
最初のうちはこの理由が分からず当惑しましたが、そのうち人間の、特に自己愛的な心理について色々と学ぶうちに、日本人には前回の投稿にあるような非常に裏表があることを知り腑に落ちました。
つまり人目が最も気になり、そのため無意識に良い人を演じてしまう力が最も強く働く対面のカウンセリング・夢分析においては、たとえ不満を感じていらっしゃったとしても料金を払わないという非常識な行動は抑制されるのに対して、電話やメールではやり取りが済んだ途端に、(着信・受信拒否すれば二度と関係を持たなくても済むことを想定し)もう無理に良い人を演じる必要がなくなるため、抑制されていた(自己愛的な)自己中心性が優位な状態になるではないかと推測されます。
(対面で同じことをすれば無銭飲食と同じ行為ですから、その場で非常に悪い印象を与えてしまいます)
普段は(私も含めて)お互いに良い面だけを見せ合い気を遣いながら生活していますので想像もつかないことですが、これが一たび、その必要がないと分かった瞬間の多くの日本人の姿です。
このことを踏まえまして、対面以外の形でのカウンセリング・夢分析では、料金を定額にして事前にいただく形に切り替えることを現在検討中です。
注)それでも電話では9割以上、メールでも7割近くの方は料金をお支払いいただけておりますので、ここに挙げた話が一般的ということでは決してありません。
大多数の方は、人目の有無に関わらず常識を兼ね備えた方々です。
追伸)今回の記事はお客様批判、あるいは守秘義務違反に当たるような内容かもしれませんが、料金をお支払いいただけない方にそのような配慮は必要ないとの判断から、前回のSNSの心理学の内容の具体例として書かせていただきました。