「諦めなければ夢は叶う」あるいは「諦めなければ夢は必ず叶う」という言葉をときどき聞きますが、私はこの考え、必ず実現するとまでは思っていませんが、そうかと言ってまったく根拠がないとも思えません。
今回はその理由を書かせていただきます。
まずこれらの言葉は、努力さえすれば誰でも叶えられることに対してというよりも、たとえ努力し続けたとしても、それでも一部の人しか叶えることができないような夢に対して使われることがほとんどです。
つまり、いつ報われるのかもわからない心もとない状況でも、それでも努力し続ける意味があるのかを問い続ける中で生まれてきた考えと思われます。
(人気の職種や難易度の高い資格などがその身近な典型例と考えられます)
努力し続ければ、やがて淘汰が生じて夢が叶う確率がどんどん高まって行く
この問いに関する私の答えは、努力の仕方を検証する必要はあるとしても、努力し続ければ夢が叶う確率はどんどん高まって行くというものです。
その理由は前述のように、これがいつ報われるのかもわからない心もとない状況(=精神的苦痛)をもたらすものであることから、大多数の人は心理的あるいはその他の事情から諦めてしまい淘汰が起きるためです。
巷には夢を叶えるためのハウツー本が多数存在しますが、もし仮に多くの人がそれらの本などを頼りに夢を叶えるまで決して諦めなかったとしたらどうなるでしょう。
その場合、例えば10人の枠に1000人が殺到しており、その1000人全員が努力し続けていたとすれば、たとえどんなに努力し続けたとしても、その夢が叶う確率はいつまで経っても100分の1のままで、これでは「諦めなければ夢は叶う」とはとても言えないでしょう。
ですから「諦めなければ夢は叶う」と聞くと、とっさに誰もがそうするイメージを思い浮かべ、それは物理的に無理なことがハッキリしているため半信半疑になりますが、実際は恐らく大多数の人が何らかの理由から途中でリタイアしてしまい、その結果過酷な競争状態が緩和して、残った人の夢が叶う確率が上昇していくことを、この言葉は意味しているのではないかと思われます。
最後に、もちろん人気の職種なり資格なりには、次々と新しく人が参入してくるわけですが、そうした人にはまだノウハウその他がまだほとんど存在しませんので、その点で継続的に努力してきた人には競争優位の状態にあり、もしあるとすれば加齢が不利益になる可能性くらいではないでしょうか。