今晩9月28日(月)の24時からNHKBS1で「スティーブ・ジョブズ vs. ビル・ゲイツ」と題するドキュメンタリー番組が再放送されます。
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何かに秀でた人は、人格的にも素晴らしい人と思われる傾向がある
一般的に何かに秀でた人は、人格的にも素晴らしい人と思われる傾向があるとされ、そのような反応を示す人の典型が私の専門の自己愛的なパーソナリティ構造を持つ人です。
これは恐らく自己愛的な人の主要な防衛機制である、自分にとって好ましい人は万能視され、そうでない人は存在価値がない人に思える作用をもたらす「理想化-価値下げ」*の影響と思われます。
*関連記事:「理想化-価値下げ」の防衛機制が自己愛的な症状を生み出す~自己愛講座8
そしてスティーブ・ジョブズもそのように美化されている典型例と思われます。
誇大型の自己愛性パーソナリティの典型例だったスティーブ・ジョブズ
精神分析の世界では、典型的な誇大型の自己愛性パーソナリティの持ち主と考えられているジョブズは、番組によれば公の場でもビル・ゲイツへの蔑みの感情を隠すことがなかったらしく、後にゲイツに対して公の場での発言を謝罪することがあっても、必ず最後に「でも(馬鹿で愚かなのは)本当のことでしょ」と付け加えたそうです。
また他人を自分の願望実現のための道具程度にしか思っていなかったらしく、その結果社内で多くの人から恨みを買い、一時アップルを追われたことがあるのは、わりとよく知られた話です。
(番組には彼に恨みを持つ人が多数登場します)
誇大型の自己愛性パーソナリティの人はカリスマ性を有することが少なくない
しかしそれでも一般的には例えばスタンフォード大学の卒業生に対するスピーチが名言としてたびたび引き合いに出されるように、むしろ偉大な人間として称えられています。
このように誇大型の自己愛性パーソナリティの人は、非常に人気がありカリスマ性を有する人が少なくありません。