NO IMAGE

引きこもりの原因となり、その解決を阻む要因ともなる自己愛的な心理

要約:ハートネットTV「ひきこもり新時代 わたしたちの文学」に登場した当事者の方々の胸の内からは、自己愛的な心理が引きこもりの原因となるだけでなく、その解決を阻む要因ともなっているように思えました。

一昨日、ハートネットTV「ひきこもり新時代 わたしたちの文学」という番組が放送されましたが、番組に登場した3人の引きこもりの当事者の方が率直に胸の内を語っていただけたことで、引きこもりの原因、かつその解決を阻む要因として自己愛的な心理が大きく関係していることが私なりに理解できました。
今回はその推論を記事に致します。

引きこもりの定義

まず引きこもりの定義についてですが、厚生労働省の定義では「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」を指します。

私見:引きこもりの原因は当事者の方、外部環境の双方にあると考えた方が解決を容易にする

また同省の見解では、引きこもりは「単一の疾患や障害の概念ではなく、様々な要因が背景になって生じる」ものとも想定されているため、たとえ今回考察するような自己愛的な心理が関係していたとしても、それが引きこもりの原因のすべてではなく、人間関係などの環境的な要因も非常に大きいと考えられます。

それでも自己愛的な心理という、当事者の方の心の領域に焦点を当てるのは、環境的な要因のみを問題視したのでは、当事者の方から見ればその環境が変わらない限り解決不可能という専ら他力本願なものとなってしまい、それは解決策としては効率的ではないと考えられるためです。

引きこもりの解決に関する基本的な私見

これは引きこもりの解決に限ったことではありませんが、たとえ辛くても「もしかしたら自分自身にも何か改善できることがあるのではないか」と考え、少しづつでも変化を試みることは、自分を専ら被害者の立場に身を置くよりも、遥かに解決を容易にします。

これには自分自身を変化させることよりも、他人や社会を変化させることの方が遥かに困難であることが関係しています。
変化させやすい部分から変化させて行った方が、それだけ早く楽になれますし、それに加えて自分自身を変化させることができれば、そのこと自体が自分の能力に対する大きな自信を生み出し、その自信がそれ以外の事柄に対しても波及して行くという好循環が生まれます。

少し前置きが長くなりましたが、次のページからいよいよ引きこもりの原因の1つとなっていると考えられる自己愛的な心理について記述して行きます。
冒頭のNHKの番組を拝見した私の印象では、自己愛的な心理は引きこもりの原因となるだけでなく、その解決を阻む、つまり引きこもり状態を維持する作用をも及ぼしているように思えました。

NO IMAGE
最新情報をチェック!